プロ家庭教師集団スペースONEの選挙制度解説
中学受験では11月になると2024年度の時事問題対策を始めます。今年の重大ニュースを振り返ってスペースONEのプロ家庭教師はオリジナル問題を作成します。今回は一票の格差についてのワン君とモン君の問答で選挙制度について解説します。第1回は一票の格差についてです。
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一票の格差について
今年(2024年)の10月27日に第50回衆議院議員総選挙が行われたね。
衆議院で現在の「小選挙区比例代表並立制」が導入されたのは1994年で、この制度で初めての選挙が行われたのは1996年のことだよ。全国を定員1の小選挙区を300にし、さらに全国を11のブロックに分けた比例代表で200人を選出したんだ。
今年も同じ定員だったの?
ううん。地域によって有権者の数がちがうことによる「一票の格差」が問題になって、今までに3回定員の見直しが行わたんだ。
「一票の格差」のどこが問題なの?
例えば有権者が100人の地域だと、30票でも当選できたり、有権者が1000人の地域だと50票でも当選できなかったりする一票の差があることになるんだよ。
「一票の格差」はどうやって求めるの?
一票の格差は「議員1人当たりの有権者」だから、計算式は 「有権者数÷議員定数」で求められるよ。例えば有権者数が最も少ない鳥取1区は223713人で小選挙区だから当然定員は1。最も有権者数が多い北海道3区は460770人で定員は1。鳥取1区と東京13区の一票の格差はどれだけになる?
(46万÷1)÷(22万÷1) で計算すると約2.1倍。
一票で2.1倍の差があると、不公平だと感じるだけでなく、憲法に違反しているという判断が最高裁判所で出されたこともあるんだよ。
憲法のどこに違反しているの?
日本国憲法14条1項は何を規定しているか覚えているかい?
「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係においてさべつされない。」法の下での平等を定めているんだね。
国会議員は国民が選挙で代表者を選ぶので、選ばれた議員が国民の意思を反映させる役割があるんだ。だから一票の格差が生じていると、人口の少ない地域の一票の価値が重くなると「人口の少ない地域の意見が人口の多い地域より重くなる「というこたができるよね。だから一票の格差が大きいと憲法14条1項の法の下での平等に違反しているという最高裁判所で判断されたんだ。
なるほど。僕は人口の多い東京に住んでいるから自分の持つ一票の価値が低いからといって、「僕が行かなくても結果が変わらないだろう・」とおもって将来投票を放棄しないようにするよ。
そうだね。ところで今までに3回定員の見直しが行わたとさっき言ったけど、今年の選挙は2022年に成立した改正公職選挙法に基づき、小選挙区の10増10減で初めて行われた総選挙だったんだ。今年の選挙の定員はどうだったか知っているかい?
小選挙区が289 比例代表176。
その通り。立候補者は小選挙区1113人、比例代表単独231人が立候補しなかでも女性候補者は314人で総選挙では過去最多を更新して、全候補者に占める女性の割合は23.36%になったんだけれど政府が努力目標に掲げた女性候補者の割合35%には届かなかったんだ。
女性差別の撤廃を目指す国連女子差別撤廃委員会が選択的夫婦別姓の導入などに向けた民法改正を2024年10月31日に勧告したけれど、国内での世論がわかれているのでさらに活発な議論が進めばよいと思うし、女性の活躍が国会でも進めばよいと僕も思うよ。
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